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スマホの中に眠る「見えない資産」をどう守る? 現代の相続に不可欠な『デジタル遺産』と遺言のルール

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2025.10.31 更新

スマホの中に眠る「見えない資産」をどう守る? 現代の相続に不可欠な『デジタル遺産』と遺言のルール

「通帳が見当たらない」
「証券会社からの郵便物がどこにもない」

相続の現場で、ご遺族がこう途方に暮れるケースが急増しています。ペーパーレス化が進んだ現代、私たちの財産の多くは、物理的な形を持たない「デジタル遺産」として、スマートフォンやパソコンの中に格納されているからです。

ネット専業銀行、ネット証券、FX、そしてビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)。これらは、IDとパスワードがわからなければ、家族であってもその存在に気づくことすらできません。結果として、本来受け取れるはずの数百万、数千万円単位の財産が、永遠にデジタルの海に消えてしまう「デジタル遺産放置」が社会問題化しています。

また、資産だけではありません。月額課金制のサブスクリプションサービスが解約されないまま、亡くなった方の口座から引き落とされ続けるといったトラブルや、クラウド上に保存された思い出の写真やメールといったプライバシー性の高いデータの取り扱いも、遺族を悩ませる種となります。

だからこそ、現代の「遺言作成」においては、従来のアナログ資産に加え、デジタル資産への配慮が不可欠です。しかし、ここで注意が必要なのは、「遺言書にパスワードを書いてはいけない」というセキュリティのリスクです。特に公正証書遺言は公的な性質を持つため、機密情報を直接記載するのは避けるべきです。

プロの解決策としては、遺言書本体には「どのデジタル資産を誰に承継させるか」という法的な指示を明確に記載し、具体的なIDやパスワード、アクセス方法は「別紙財産目録」や、封印した「エンディングノート」に記載して、遺言執行者(信頼できる家族や司法書士)に託すという二段構えの方法が有効です。

さらに、各種WEBサービスには「利用規約」があり、中には相続(承継)を認めず、死亡と同時にアカウントが消滅するものもあります。これらを法的に整理し、どの資産が相続可能かを選別するには、専門的な知識が必要です。

「スマホの中身までは考えていなかった」という方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。最新の法務とIT事情に精通した司法書士が、あなたの大切なデジタル資産を確実に次世代へつなぐための「現代版・遺言作成」をサポートいたします。見えない資産だからこそ、見える形で残す。それが、デジタル社会を生きる私たちの最後の責任です。

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