2020.09.15 更新
公正証書遺言とは、証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の内容を公証人の面前で口授し、その内容に基づいて、公証人が遺言者の真意を正確に文章にまとめ、遺言者、証人、公証人が署名押印して公正証書遺言として作成する遺言です。遺言者が署名することが出来ない場合は、公証人がその理由を付記して、遺言者の代わりに署名すること出来ます。公正証書遺言の原本は公証役場に保管されます。
公正証書遺言は、方式の不備で遺言が無効になるおそれや、破棄、変造、隠匿のおそれがありません。また、家庭裁判所で検認の手続を経る必要がないので、相続開始後、速やかに遺言の内容を実現することができます。一般的に多く利用されている遺言の作成方式です。
自筆証書遺言とは、自分で自書する遺言です。証人は必要ありません。内容全文、日付及び、氏名を自書し、押印しなければなりません。従前、自筆証書遺言では、これと一体のものとして相続財産の全部または一部の目録を添付する場合の目録についても、自書することが必要でしたが、民法改正によりこの目録については、自書する必要がなくなりました(改正民法968条2項参照)。
また、加除その他の変更は、遺言者がその変更箇所を指示し、これを変更した旨を付記し署名をして、且つ、その変更箇所に印を押さなければ、その効力を生じません。
自筆証書遺言については、法務局における遺言書の保管等に関する法律(遺言書保管法)が新設され令和2年7月10日から施行されました。この遺言書保管法の施行後は、自筆証書遺言を法務局の遺言書保管所に保管した場合は、自筆証書遺言が隠匿されたり紛失するという懸念が解消されます。また、このようにして法務局の遺言書保管所に保管された遺言書については、家庭裁判所による検認の手続は不要となります。 なお、遺言書保管所に保管された自筆証書遺言につていは、検認は必要ありませんが、遺言者の死亡後に相続人等は遺言書情報証明書の交付を請求して、交付を受けた遺言書情報証明書により相続登記等の手続がなされることになります。公正証書遺言の場合は、遺言者の死亡後直ちに、同証書でこれらの手続をすることができます。
公正証書遺言 | 自筆証書遺言 | |
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メリット |
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デメリット |
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